転職を考える時に考えたいこと
3年前、ある方にこんなことを言われた。
『人はみな生まれながらにして、3万本のロウソクを持っている。そのロウソクは1つづつ1日が終えるたびに消えていく。その大事な1本に見合う時間を今日過ごせてるかい?』
ちょっとこのたとえ話は正直、好きじゃなかったし、なんかロマンチックに言ってるなーと思ったのは事実ですが、けど、本質的だなと思ったのも本心です。
自分は『誇れる時間』を過ごせてるのだろうか。
最近『ライフシフト』という本を読んでもう一度そんなことを考えてみた。
*要約は無料なのでぜひ
そこにはこんなことが書いてあった。
人生100年になったとき、私たちに恩恵としてもたらしてくれるのは『時間』である。自由として与えられた時間を私たちはどう活用するのだろうか。より一層個人の『価値観』を基軸とした人生の体現を求め続けることが重要ではないだろうか?
この中では教育→仕事→引退というシンプルな3ステップだけではなく、探求や起業、複業を通じて様々な経験とスキルを身につけ、自分自身が変化し続ける人生を送ることが大事だと話している。
簡単に本の紹介をしてきましたが、ここで論点にしたいのは
『価値観の体現』を追求するとはどんなことなのか?
前回のブログでは私が人とつながり続ける理由という題で価値観について論じてきた。
最終的には『ハッピー野郎が好き』というクレイジーな締め方をしてしまいましたが、多分感覚的に自分の価値観に生きている友人は多いと感じる。
こないだも価値観って何?という質問をしたら
『楽しいだよ。おれのすべてはこれに尽きる。』という即答をもらい、その人らしいなと思った。
by 池袋のバーテンダー
このように、『今人生幸せ?』って聞くと『最高。今が一番楽しい。本当に自分らしく生きている』という返答をもらえる。そんな環境に身を置けている自分は相当なハッピー野郎だなと自覚している。笑
しかし、本当に全員が自分の価値観に生き、幸せな人生を生きているかと言えば、答えはNoだ。その現状を3つにまとめてみた。
1.承認と自己実現の狭間
2.個人主義社会の到来
3.ロールモデルの欠如
1.承認と自己実現の狭間
マズローの欲求5段階説をベースに考えたい。
https://jibun-compass.com/maslow
現代において、安全の欲求や生理的欲求で悩まされる人は『東京』では少ないと考えている
*特に僕の友人は有名大卒が多いので、、、、そのあたりの議論はおいときたい
しかし、所属の欲求や承認の欲求で悩まされることは多いのではないだろうか?
(1)職場の人間関係
他者との関わりがうまくいかないと人はストレスを受ける。それは欲求レベルで設計されている人間の本能である。しかし、どの職場でも多少の人間関係のストレスは存在する。
責任転嫁、噂話、高圧的態度などなど。
その人間関係に嫌気がさし、転職をしてしまう方も多い。
(2)大手志向
もちろん、安定を得ることが目的であったり、やりがいや目的などに共感し、入社を決意する方も多い。しかし、『肩書き』というものを求め、大手に意思決定する方も多いのではないだろうか?
社会的評価を考えると大手企業に所属していることは大きなアドバンテージになり、自らの承認欲求を満たされることは間違いない。
しかし、それで本当に人間は満足するのであろうか?
安心したい、愛されたい、認められたい。
様々な人間の中に設計された欲求が人生の目的化し、人生を歩むことが最大の幸せなのでしょうか?
私の答えはNoです。
それは感覚的な答えになってしまうかもしれませんが、上記のような人たちはどこかで生きづらさを感じているように感じています。
安心したいから、望んでないことも我慢する。
愛されたいから、本心ではないことを言う。
認められたいから、無理な努力をする。
もちろん、この歳になればいろんな環境に育ってきたからこそ、うまく生きる技術がつき、ある程度のことは『仕方ない』という言葉で素通りすることができる。
けど、そんな自分本当に幸せですか?って質問をした時に心から『幸せです』と言える方は少ないのではないだろうか?
もっと『自己実現』をしたい。自分は〜したい!〜ありたい!など存在するはずの思いとの狭間に揺られ、現状維持を意思決定しまう。
そんな方達が多いのではないかと思う。
2.個人主義社会の到来
しかし、社会は待ってくれない。今この時代はより超個人主義化している。
外見や学歴などで仕事を判断していた時代が終わり、「私たちはどのように働き、生きるのか」という大きな視点で見ても変化が必要な時代に入っているということ。
『会社に合わせて生きるくらいなら、社外で道を切り開け!』
最近、ニューエリートという本を読んでいる中で、本書に書いてあったフレーズである。今後は組織に属し、成果を出す人間ではなく、『新たな価値を生み出せる人間』が必要とされていることを謳っています。
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社会を見渡せば、既存のコースはどんどん色あせています。IT業界をみると、DEC、コンパックなど、かつて成功した企業が姿を消しています。まさに栄枯盛衰です。
一方で、現在成功している企業を見ると、業界内で戦っている企業ではなく「新しく業界を作ろうとしている企業」であることに気づきます。グーグル、フェイスブック、エアビーアンドビー、ウーバーといった企業です。
最も成長している企業は、新しい業界を作り、競争がない市場でナンバーワンになっています。
(37ページより)
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自分の承認のため、属するために仕事を行うよりも社会を俯瞰し、自分がこの社会に対してどんな価値を提供できるのか。自分の専門性を生かすことができるのか。
『これからの時代の成功者とは、新しい価値観を提供し、他者への貢献を通じて自己実現する人である』
3.ロールモデルの欠如
これはわかりにくいという問題だ。
今までであれば『一流大学、一流企業』と勉強し、有名大学にさえ入学すれば、将来の安定を得ることができる。目標自体が明確であった。
しかし、これからの時代はそうではない。変革の時代と言われるなか、求められる人物における『経験・スキル・知識』などが抽象化され、多様化しているのが現代である。
*例えば問題解決力など
今までは『大企業の肩書き』を持ってる方が私たちのロールモデルであった。
*社名を見ればわかるというわかりやすさ
しかし、現代は変わってきた。『肩書き』だけでは判断できず。その人自身の『生き方』が基準となる。
*しかも、現段階では成功してたとしても永続的に成功するとは限らない。将来の安泰を得るわけではないので、わかりづらい
このような課題があり、自分のロールモデルと言われるひとが身近にいないという問題が生じている。
価値観に生きる難しさ
冷静に考えると、価値観に生きるという選択をし続けることは本当に難しい。
狭間にいることを感じ、社会・時代の流れを考えても『自己実現』を中心に生きるべきだと頭にはある。しかし、ロールモデルの欠如にあり、自分が何を目指すべきなのか、目指した後、成功率がどうなのか。という現実味を得れない。
そういった不安、葛藤、不信、挫折、劣等感など様々なネガティブ要素が重なり、自分本来に根付いている『自己実現』を抑えてしまっている状況だと考えている。
これを踏まえた上で、もう一度問いたい。
自分は『誇れる時間』を過ごせてるのだろうか。
この言葉とどう向き合うかがその答えに行き着くのではないだろうか?
人は強くない生き物である。もちろん、どんな人であれ、自分自身が変わる瞬間にはネガティブな感情は付いて回る。それは人間が恒常的なものを好むという本能的に設計されたものがあり、恐怖を感じるようにできている。
ただ、この恐怖に怖気続けても一歩は踏み出せない。
『自分の弱さを認め、それでも強くあろうとする人間が一番強い』
ある先輩がこんなことを言ってました。
自分自身が誇れる時間を過ごしたい。そんなシンプルなことを強く望み、自分が取り巻く恐怖に向き合い続けることがこの問題の本質ではないだろうか。
僕の周りのハッピー野郎は皆んな笑顔に『人生最高!』と言ってるが、それまでの過程には人並み以上の葛藤と努力があることは間違いないと思う。